8-5 データを分解する

   国界付き海岸線データは、海岸線と国界が同一に、日本の分県データは行政区

   と県界が同一になっています。地域図などを投影描画する場合、線色などを

   色分けし、少しメリハリを付けたいなと思い検討しました。

 

  ■分解方法を考える。

前述『 8-2 データの量 』の図形を例に検討します。

   データ全体 [ A–B ] + [ B–C ] + [ C–D ] + [ D-A ]

  + 2 x [ A-E ] + 2 x [ B-E ] + 2 x [ D-E ]

           ===================== 分解 ==========================

   外周(海岸線、国界、県界などになる)

          [ A–B ] + [ B–C ] + [ C–D ] + [ D-A ]

   内訳(内部分断線、州界、行政界などになる)

 2 x ( [ A-E ] + [ B-E ] + [ D-E ] )

               ⇓ 重複部削除 ( 8-3 重複データを削除する )

   [ A-E ] + [ B-E ] + [ D-E ]

            つまり、[重複削除したもの][内訳]

    この分解方法は、内訳が重複していないと利用できません

 

  <データ分解の手順>

 ①  8-4 重複データを削除する の ①~⑥ を実施する。

     ソースデータ(Noの項目は、削除したものと同じであること)

                       No.に削除したNo.と一致したデータを調べ、『内訳』を求めます。

 

    削除された No. の経度緯度が判ったら、それを用いて描画してみます。

         予期せぬ箇所が結ばれていますが、これが『内訳(調整前)』です。

予期せぬ箇所が結ばれないように必要な個所にデータ空白の行を挿入します。

 方法としては、削除後の「No.」に着目し番号が連続しない箇所に空白行を挿入

 します。

 因みに、挿入する No.は、ダブラないように「0.5」を加えてたものとしてい

                 ます。

F 列の「No.」を値複写した後 B列の最後尾に追加し、全体をNo.』でソート

    して完了です。これで『内訳』ができあがりました。

  続いて、『外周』を求めてみます。「 8-4 重複データを削除する の ⑦ を

利用します。そのデータにこの章の ② でできた『内訳』を突き合せます。

つまり重複削除データから内訳を引くと残りは、『外周』となります。

F 列の「No.」を B列の最後尾に追加し、全体を『No.』でソート

                    して完了です。

       ④ この章で作った ②と③を合体する。

 

   ■政令指定都市を考慮する。

 

       分県地図などを描いたとき、政令指定都市の区界が邪魔になってしまことがあり

       ます。そこで、まず政令指定都市だけをデータ分けし、前述した方法で市界と区界

       分離して設定します。市界が求まったらデータ分けした所に戻し、県界と市郡界

       を求めるのです。

 

   <政令指定都市のデータを見分ける>

 

    シェープファイルなどのデータは、メッシュ範囲でブロック化されていますが、

 そのブロックがどの行政区なのかはわかりません。そこで行政区データをダウン

 ロードしたときに同梱されている『xml』ファイルを利用します。

 EXCELでこれを読み込むのです。

    タブ [データ] [その他のデータソース] [XML データインポート]実行。

左のようなメッセージが出ますが

無視して進めます。

 

下図がエラーの内容例です。

 インポートされたデータの列見出しに着目します。

 

   ns1:countyName ----- 政令指定都市名、郡名

          ns1:cityName ------- 政令指定都市区名、市名、町名

 列の下の方を見に行くと該当する名前が取り込まれています。そして、その順番

 (上から下)が、シェープファイルなどのブロック順と一致していますので、これに

 より、必要な政令指定都市の範囲データを分けることができます。