1. Excel の利用方法
夏の離宮(バーン・パイン宮殿)の象家族(タイ国アユタヤ県バーン・パイン郡、北緯14°14'1.33" 東経100°34'45.86")
< Link to Google Earth & Map : 14°14'1.33"N,100°34'45.86"E >
1-1 利用機能
投影図の描画は、Excel のグラフ機能の散布図を利用します。散布図には「点」「平滑線」
「平滑線とマーカー」「直線」「直線とマーカー」がありますが、後述する『変化させる』
場合以外は「直線」を利用します。
1-2 なぜ散布図の「直線」にするのか。
具体的に「直線」と「点」を描画して比較して見る。
[ 図 1-2 ] 散布図描画比較
「直線」 「点」
【 比較描画条件 】
・投影法:正射図法 ・描画点詳細:海岸線_全世界8,257点
・経線間隔ピッチ: 1° ・緯線間隔ピッチ: 2°
・描画設定:線_海岸線 線幅 1pt 、点_マーカーサイズ 2
これを見れば「直線」を利用するのが良いことがわかります。
1-3 「直線」を利用するための注意点。
描画用に入手したデータは、経度0°を中心に±180°に展開されています。そのまま 0°を
中心に投影するなら良いのですが、中心経度(λ0)を 0°以外にする場合に「直線」だと
問題が発生するのです。
【 地図中心の経度の変更 】
中心経度を120°にすることを例として考えてみます。ほとんどの投影式には (λ-λ0)として、
中心経度を変更できるようになっています。
[ 図 1-3 A ] 中心経度の変更
●( λ - λ0 )の補正を規準化する。
中心経度が東経だけでなく西経になっても使用できる規準化を行う必要があります。
[ 図 1-3 B ] エクセル操作画面 ※海岸線などはセル E9 の式で良いが、経線な
どの右端の線を描画する場合は、式内を「=」
にして用いる。
λ0 -180° が左右端の経度数値です。
【 連続するデータの中に左右端の経度が含まれる場合 】
下表のような連続データを投影する時に、中心経度の影響を確認して見ます。
[ 表 1-3 A ] 説明データ [ 図 1-3 C ] 経度と緯度の散布図
中心経度に変更することによりデータ No.1 ~3 が
右側(経度が負から正へ移動)に移動します。
しかし、意図しない C点とD点間に線が描画されて
しまいます。
エクセルの散布図「直線」は連続するデータを結
んでいるため当然の結果とも言えます。
この不要な描画線を消すためには、補正経度が
反転しない部分と反転した部分を分断する必要が
あります。この例では、データ No.3と No.4 の間に
行を挿入すればよいのです。 [ 図 1-3 D ] 経度を補正した散布図
改善分断した表は、次のようになります。
[ 表 1-3 B ] 説明 分断データ [ 図 1-3 E ] データの途中に行を入れ
分断化した補正経度と緯度の散布図
分断のために挿入した行にはデータ No.を付与(前後のデータの間の番号)しておくと、データを
ソートした時に、元に戻れるので便利です。
1-4 投影描画用のデータを加工する。
「1-3」項で判るように、中心経度を変更する場合は、データの一部を分断しておくと便利です。
【データ加工手順】
①反転経度(中心経度に対応するデータの左右端経度)を計算する。
<反転経度> = λ0 - 180°= λ0 + 180°
↑ ↑
λ0が東経 λ0が西経
②データの中で反転経度に一致するものがないかを確認する。
③一致したポイントが、連続する中のものなら、そこに一行挿入する。
④加工したデータを投影式に投入し描画する。
【データ加工の実例】
NOAAの海岸線データ(描画点:8,274点の一部)を利用し、中心経度は135°とした例
[ 表 1-3 C ] 描画データの加工例
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